極右RN、パリで抗議集会:左翼勢力は反RN集会
極右政党RNは6日、パリで抗議集会を開いた。RNのバルデラ党首は1万人以上が参加したと発表したが、会場となったアンバリッド前の広場で人々はかなりまばらで、参加者は7000人程度にとどまったものとみられる。
RNは先ごろ、欧州議会を舞台にした架空雇用による公金横領事件の裁判で、パリ地裁から一連の有罪判決を受けた。このうち、RNを率いるマリーヌ・ルペン下院議員団団長は5年間の被選挙権停止命令を受けたが、これには有罪確定を待たず暫定執行を行う命令が伴っていた。ルペン氏の側では、2027年の大統領選挙への出馬を阻むための政治的な判決であり、厳しすぎると主張して、裁判所の決定を批判している。RNは、党と支持者の団結を誇示することを目的に、今回の抗議集会を開催した。ルペン氏らは集会の際に、有罪判決を「民主主義への攻撃」として非難。自らを政治的な司法の被害者と位置づけて国民に支持を呼びかけた。
同日には、パリのレピュブリック広場で、RNの反対派による抗議集会が別途開かれた。こちらは、左翼政党LFI(不服従のフランス)と環境政党EELVの呼びかけにより行われ、参加者数は、主催者側発表で1万5000人、メディアによる集計では5000人とやはり振るわなかった。参加者らは、「法の支配」の擁護を主張し、RNへの有罪判決を下した司法を擁護した。集会には左派勢力のうち、社会党と共産党が参加を見合わせた。なお、いずれの抗議行動も、参加者数が少なく、警備が容易な一つの場所で行う方式になったこともあって、破壊行為などの発生は報じられていない。
これと関連して、マクロン大統領派のルネサンス党も同日、パリ北郊サンドニ市のシテデュシネマ(映画都市)を会場に、集会を開いた。こちらの集会は以前から予定されていたものではあるが、ルネサンスのアタル下院議員団団長(元首相)は、裁判所の判決を攻撃するRNを強く批判しつつ、2027年の大統領選挙への出馬意欲をにじませるともみえる対決姿勢を鮮明に打ち出した。
