憲法評議会の次期議長にフェラン前下院議長、国会が僅差で承認
憲法評議会の次期議長の任命に向けて上下院で18日にリシャール・フェラン前下院議長の聴聞が行われた。僅差で任命が承認された。
憲法評議会は議長を含めて9人の委員により構成され、任期は9年。3年ごとに3人ずつが改選されることになっており、大統領、上院議長、下院議長がそれぞれ1名ずつ候補を指名する。ファビウス議長が任期満了で退任するため、大統領が指名した候補が後任の議長に就任することになる。
マクロン大統領はフェラン前下院議長を候補に指名した。大統領の初当選に協力した側近を重要職に据える人事として、左派の野党勢力は強く反発した。上下院の法務委員会で聴聞後に行われる投票では、5分の3を超える委員が反対票を投じると任命が却下されるが、投票では、賛成が39、反対が58となり、却下に必要な59にあと1票というところで辛くも人事が承認された。
極右RNが棄権することを決めたのが投票の結果を左右した。野党の左派勢力はこれについて、極右勢力への密約があったに違いないとマクロン派を非難した。事実はどうあれ、フェラン氏は正統性を疑問視されての就任となり、違憲審査などの役割を担う憲法評議会の権威が今後に疑問視される場面が増える恐れもある。
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