ベジエ市のメナール市長、違法滞在者の結婚登録拒否に関する処罰を拒否
2023年7月に結婚の登録を拒否した件で、南仏ベジエ市(エロー県)のメナール市長は18日、モンペリエ地検に呼び出され、処分の通知を受けた。市長はこれを拒否し、裁判で争うことを明らかにした。
メナール市長はジャーナリストとして活躍後、極右勢力の支援を受けてベジエ市の市長となった。結婚の登録拒否の事案では、国外退去処分の対象となっていたアルジェリア人男性とフランス人女性の結婚を、滞在許可証の獲得を目的とした偽装結婚であるとの理由を挙げて拒否。検察当局はこれが法令違反に相当すると判断し、捜査の上で処分を通知した。これは、被疑者の側が有罪を認めれば、裁判を行わずに処分を決めるという手続きだが、メナール市長はこれを拒否し、裁判で争うことを選択した。市長は、地検の前に集まった記者団と支持者らを前に、フランスにいるよしもない人物の結婚を拒否するのは当然だとし、何も悪いことはしていないなどと言明。さらに、上院でこの問題での市長の権限を強化する法案が採択される運びであることを挙げて、自身の行為を正当化した。市長はまた、問題の男性は、麻薬取引など違法行為で知られる人物だったとも述べた。
法令においては、市長が結婚を拒否できる事由として、正規滞在の有無は含まれていない。結婚登録の不当な拒否の最高刑は禁固5年などとなっている。結婚を拒否された男性(当時23歳)は本国に送還され、現在も本国にとどまっている。相手の女性は、メナール市長の発言について、犯罪歴云々は虚偽であるとし、名誉棄損で市長を提訴すると予告した。上院で審議の法案については、可決されたとしても、憲法評議会により違憲認定を受けるリスクがある。
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