社会給付受給者の申告方法が見直しに、所得額記入済みの申告用紙を当局が準備
一部社会給付の申告方法が3月より改正される。所得申告に倣って、受益者は当局による記入済みの申告用紙を承認するだけで済むようになる。
対象となるのは、生活保護手当の1種であるRSAと、低賃金の就労者向けの就労手当(プリームダクティビテ)。受給者は前者が190万人、後者が450万人に上る。従来は、受給者が自ら計算して申告を行う必要があったが、今後は、支給窓口であるCAF(家族手当公庫)が、税務当局など他の当局機関から融通されたデータに基づいて申告所得額を計算し、記入済み用紙を受給者が承認するという形になる。これにより、受給者の手間は軽減され、間違いも減ることが期待できる。
この措置は、マクロン大統領が2022年に予告した行政手続き簡素化に向けた一連の取り組みの一部として実現する。これら2種の給付は、支給額に誤りが多いことで知られており、RSAの場合は、年間110億ユーロの支給総額のうち25%が過払い、就労手当も約100億ユーロの支給総額のうち17%が過払いとされる。受給者の財務状況は厳しいことから、過払いがあっても回収が困難で、CAFは過払い金の4分の1の回収に失敗しているという。このため、上流から誤りを防ぐことはCAFの収支改善にもつながる。
これら手当では今後も引き続き、初回受給には本人が申請することが必要だが、申告の簡素化により、資格のあるのに受給を見合わせる人を減らす効果も期待できる。初回受給の申請の手続きの簡素化も予定されている。
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