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バイルー首相、教育相時代の疑惑巡り攻撃受ける

バイルー首相を巡る疑惑が報じられ、左派野党勢力はこれを材料に首相を攻撃している。首相は疑惑を否定している。

バイルー首相の地元ピレネー・オリアンタル県にあり、首相の子どもも通っていたカトリック系学校ノートルダムドベタラム(中学・高校)で1970年代から1990年にかけて、子どもが暴力を受けたり、性的に虐待される事件が発生していたが、バイルー首相がこれを黙認していた疑いが報じられている。ニュース専門サイトのメディアパルトが2月5日で報じたことから表面化した。バイルー首相は、1993年から1997年にかけて教育相を務めており、次いで、同県選出の下院議員と県議会議長を兼務していた。野党側は、事件発生を知っていながら、教育相としてしかるべき手を尽くさなかったのは重大な過ちだと主張し、首相に辞任を要求している。首相はこれについて、11日と12日の両日に、2度にわたり下院代表質問の際に追及を受けたが、提訴の事実を初めて知らされたのが1997年12月で、その時は教育相ではなかったと回答。それより前に事件については一切知らされていなかったと説明し、この疑惑を「人為的な」ものだと反論した。

メディアパルトは11日に新たな投稿において、バイルー首相が早くから学校を巡る問題を知らされていたと報道。1996年5月にノートルダムドベタラム学校を教育相として訪問し、その1ヵ月前になされた提訴について言及し、学校側を擁護していたとする関係者らの証言などを報じた。同校を巡る不祥事は、教会関係の過去の性的暴力事件を洗い出す動きの中で発掘され、被害者による数多くの提訴が行われ、ポー地検が捜査を進めている。