CCIJF – 在仏日本商工会議所

パリ首都圏の公共交通機関料金、年頭の大型改定の影響は

1月1日付で、パリ首都圏の公共交通機関の料金体系が大きく見直された。紙の切符の販売が廃止されたのが大きい。利用者は戦略の修正を迫られている。

新料金体系においては、切符の価格が3種類に整理された。距離に応じた料金が廃止され、メトロ・RER(郊外連絡急行)・列車のいずれでも、片道2.5ユーロとなった。バス・トラムウェイでは2ユーロとより低めに設定された。空港(シャルルドゴール及びオルリー)までの移動は13ユーロという料金が設定されている。切符の販売は原則的に廃止されており、「Navigo」のような定期券を持たない人の場合は、「Navigo Easy」と呼ばれる非接触型ICカードに乗車券をチャージしておかなければならない。これは各人が持つ必要があり、その購入には2ユーロがかかる。乗車券は、上記の3種のそれぞれをチャージしておかなければ使えず、交通系ICカードのような利便性はない。しかも割引は一切適用されない。紙の切符の販売打ち切りとともに、10枚セットの回数券は廃止されており、例えばチャージを10枚単位で行ったとしても割引はない。

パリ首都圏の居住者であれば、「Passe Liberte+」と呼ばれるICカードを取得できる。これは、銀行口座を登録する必要があり、使用した料金は月々、後払いの形で引き落とされる。割引が適用されるのが利点で、料金はメトロ・RER・列車で1.99ユーロ、バス・トラムウェイで1.6ユーロとなる。この利用は料金改正以来で伸びており、1日当たりの新加入は1万件と、12月時点の1000件に比べて大きく増えた。