CCIJF – 在仏日本商工会議所

若い世代はリスク志向、株式投資を優先

「青春には決して安全な株を買ってはいけない」とは、「巨人の星」で明子姉ちゃんが伴忠太に告げた言葉である。番組内で明子姉ちゃん本人も言っていたが、もとはジャン・コクトーの名言なのだそうだ。私はフランス屋なのに不勉強で元ネタ未見である。いまどきのフランスでは、この言葉に従う若い者が増えているらしい。

AMF(仏金融市場監督機関)が昨秋に行ったアンケート調査(18歳以上の2044人が対象)では、12ヵ月以内に株式投資をするつもりがあると答えた人が、全体の30%を占めて、前年の27%から上昇した。金利の低下を背景に、株式投資への関心が高まっている可能性がある。ところで、35歳未満の層では、株式投資を検討する人の割合は、1年間で42%から53%にまで上昇。より長期的に株式投資を計画する人も含めると、この年齢層では67%が積極派となっている。18-24歳の層に限るとこの割合は70%を超える。

「元本割れのない商品への投資」を優先する人は、55歳以上では46%に上るが、35歳未満ではこの割合は34%に低下する。株式投資への関心は、暗号資産への関心とも軌を一にしており、「暗号資産への投資を12ヵ月以内に行うつもりがある」人は、若い層で10%と高い(高い年齢層では3%)。

上場企業への投資にはリスクがあると答えた人は、全体では57%に上るが、18-24歳の層では49%と低めになっている。それでいて、貯蓄商品に関する知識を十分に持っていると回答した人は全体で半数程度に上っており、AMFでは、若い層を中心に、インターネットを通じた金融詐欺に騙されやすい状況があると判断、啓蒙活動に力を入れている。なお、2024年の別の調査によると、ネット上の金融詐欺の被害を受けた人は3年間で3倍近くに増えた模様で、被害者の45%は35歳未満であると推定されている。