CCIJF – 在仏日本商工会議所

アルジェリアとフランスの関係が緊張、インフルエンサーの強制送還押し戻しで

アルジェリアとフランスの間の関係が緊張している。アルジェリアへの送還者が、アルジェリア側の拒否によりフランスに戻された件で、ルタイヨー内相は10日、アルジェリアはフランスを辱めようとしている、などと述べて厳しく批判した。

アルジェリア出身のインフルエンサーらはこのところ、アルジェリアの反体制派に対する暴力的制裁を呼びかける投稿を頻繁に行っており、仏政府は態度を硬化させている。そのうちの一人である「Doualemn」ことブアレム・ナマン氏(59)は、そうした投稿を行ったことを理由に逮捕され、9日に強制的な送還が執行された。しかし、アルジェリア当局は、ナマン氏が「入国禁止措置」の対象であることを理由にその再入国を拒否したため、フランス側は同氏を連れ帰らなければならなくなった。同氏は現在、フランスで勾留の対象となっている。

フランス側は、アルジェリアの対応について、再入国を拒否する妥当な理由がないとして、悪意のある決定であるとみなしている。フランスとアルジェリアの関係は本来、良好であるとは決して言えないが、フランスが西サハラ問題でモロッコ寄りの姿勢に切り替えて以来で目立って緊張している。アルジェリア政府は、フランスに居住し、先に帰国した反体制派の作家サンサル氏を逮捕したが、これが両国の間で舌戦を招き、それと呼応して、アルジェリア出身のインフルエンサーらが反体制派叩きを展開、これが両国間の緊張をさらに高める構図になっている。

フランスでは、アルジェリアとの関係見直しを求める声も上がっている。アタル元首相は、アルジェリア出身者の受け入れに関して、他の外国の出身者よりも有利な条件を設定している1968年の二国間協定を破棄するよう求める意見を表明。政府部内でも、タカ派のルタイヨー内相をはじめとして、アルジェリアに対する強硬論が強まっている。