CCIJF – 在仏日本商工会議所

オフィスに香りの環境整備、普及なるか

大手企業を中心に、オフィスに香りの環境を整えるところが増えている。レゼコー紙が報じた。

パリ西郊ヌイイ市にあるコンサル事務所Stateraは2023年に香りの環境の整備を始めた。入り口ホールとオープンスペース、食堂を対象に、来客と従業員の両方のウェルネス向上を目的として取り入れた。こうした環境整備を請け負う専門企業はいくつかあり、そのうちの一つであるScentysは2004年に発足。当初はホテルや店舗を顧客としていたが、2年ほど前から、オフィス需要に顧客層を広げた。自宅と同じような親しみのある空間を演出するのが狙いで、比較的に小さい場所ならば放散機を置いて、大きな空間であれば空調に組み入れる形で設計する。過度に自己主張のある芳香は禁物で、万人受けして、心地よいと同時に、何かしら訴える力を備えているという微妙なバランスを探る必要がある。同社の場合、人気があるのは、さわやかなバラの香りと柑橘系の木の香りだという。慣れてしまうと感覚が薄れるので、季節ごとに入れ替えるのも有効だといい、同社は、夏ならバカンスの香り、秋は森林浴、冬ならクリスマスツリーになるもみの木の匂いなどのローテーションを用意している。上場大手企業や投資銀行、保険会社などで採用が増えているが、導入はまだ少数派で、勝負はこれからだという。