仏インフレ率、12月に1.3%
7日発表のINSEE速報によると、12月のインフレ率(前年同月比)は1.3%となり、前月並みの低めの上昇率が続いた。インフレ率は、1年前の2023年12月には3.7%に上っていたが、1年間で顕著に減速した。欧州連合(EU)基準によるインフレ率は12月に1.8%となり、前月の1.7%からわずかに上昇したが、1年前の4.1%に比べて明確に低く、欧州中銀(ECB)が定める目標である2%を下回っている。
INSEEはインフレ率がさらに減速すると予想しており、2025年6月には1%程度まで減速するとの予測値を示している。エコノミストらは当初、インフレ率が2%程度まで下がるのが、2025年か2026年になると予想していたが、はるかに速いペースで鈍化している。エネルギー価格が落ち着いたことに加えて、賃金上昇の影響でサービス料金を中心に物価が押しあがるという2巡目のインフレ効果が思ったよりも小さいことが影響している。経済成長のペースが鈍いことが背景にある可能性もある。
景気回復には個人消費の拡大が原動力となりうる。INSEEによると、家計の成員1人当たり(扶養家族についてウェイト付けにより補正した数字)の購買力は2024年に1.5%の増加を記録する見込みで、前年の0.3%増を明確に上回る。インフレ率の減速に伴い、インフレ率や銀行間金利などに連動する形で年に2回改定されることになっているリブレA(利息非課税の貯蓄口座)の金利は、2月1日付の次期改定で3%から2.5%程度まで引き下げられる見通しとなった。