CCIJF – 在仏日本商工会議所

高速鉄道の運転士が飛び降り自殺、乗客は無事

仏国鉄SNCFが運行する高速鉄道TGVで24日夜、運転士が運転中に飛び降り自殺する事件があった。当該列車には4時間程度の遅れが発生、全部で10本程度の高速鉄道の運行に遅れが生じた。

事件は、パリ発サンテティエンヌ行きの高速鉄道「InOui 6689」で発生した。列車は19時にパリ・リヨン駅を出発。列車は20時頃、パリ南東郊外ムラン市近くを時速300kmの高速運転中に緊急停止した。車掌が確認のため運転室に赴いたところ、誰も乗っていなかった。消防などが捜索した結果、運転士の遺体がおよそ1時間30分後に、列車よりも2km程度後方で発見された。運転士は運転中にドアを開けて飛び降り自殺し、列車は、運転士の動作がなくなったのを受けて、安全装置が作動して緊急停止したものとみられている。この事件のために、列車の運行は両方向で2時間を超えて中断され、10本を超える列車に遅れが生じた。3000人を超える旅客に影響が出た。

自殺したブリュノ・R運転士は52才。SNCFに1997年に入社し、労組CGTの組合員として従業員代表委員を務めていた。自閉症の子どもの教育問題などで心の闇を抱えていたとみられている。運転中の運転士の自殺事件は前例が極めて乏しいという。