生ごみ分別回収、導入から1年:4割の住民に提供なし
フランスでは生ごみ分別回収が今年年頭にスタートした。自治体に生ごみ分別回収と有効利用の道筋をつけることが義務付けられた。それから1年が経過し、最新の調査結果では、4割程度で分別回収が実現していないことが判明した。
生ごみ分別回収は、食品ロス防止法の一環として導入が決まった。生ごみや落ち葉など有機性廃棄物は年間3400万トン強が発生しており、台所から出る廃棄物では生ごみが3分の1を占めている。分別回収を義務付けることで、無駄に廃棄される食品を減らすインセンティブとし、また、ゴミの減量・減容を図るのが導入の目的だった。世論調査会社オピニオンウェイが廃棄物コンテナ製造のSulo社の依頼で行った調査によると、全国平均で40%の人が、生ごみ回収の仕組みを提供されていないと回答。生ごみ分別回収について聞いたことがないと答えた人も27%に上った。地域別では、北東地方のグランテスト地域圏(68%)、ブルターニュ地域圏(67%)、ヌーベルアキテーヌ地域圏(65%)などで、導入済みが全国平均の60%を上回っているが、大都市では導入がより困難であるという。パリ市の場合、黄色い専用の回収用コンテナを400体設置して、持ち寄りを呼びかけている。パリ市はメタン化の原料としており、有機性廃棄物をすべて受け入れているが、近隣の自治体では、コンポスト化を優先して、貝殻や鳥の骨は除外するよう求めているところも多い。そのため、わかりにくいのでやる気がわかないという横着な人も少なくないという。導入義務を満たさない自治体に対する罰則が定められていないこともあって、模様眺めの空気も広がっている。