CCIJF – 在仏日本商工会議所

スタッドドフランス、新コンセッション契約でGL Eventsとの独占交渉が開始に

報道によると、パリ北郊にある競技場スタッドドフランスのコンセッション契約について、所有者である国は、イベント開催大手の仏GL Events社と独占交渉を開始することを決めた。現行コンセッション事業者である建設大手によるコンソーシアム(バンシ及びブイグ)は8月4日の期限満了を以て契約を失うことになる。

スタッドドフランスは、1998年にフランスで開催されたサッカーW杯にあわせて、メイン会場として建設された。先のパリ五輪でも重要会場となり、仏サッカー連盟(FFR)と仏ラグビー連盟(FFR)も主要な試合の競技場として使用している。コンサートなどイベントの開催も多い。

バンシとブイグによるコンソーシアムと結んだコンセッション契約が終了するのを前に、国は今後に関する検討を開始した。競技場を売却するか、コンセッション契約を結びなおすか、2つの選択肢があったが、コンセッション契約の獲得に関心を示したのは、現行コンソーシアムとGL Eventsの2社だけだった。コンソーシアムは、VIPルームの再整備などに4億ユーロを投資することを約束、これに対して、GL Eventsは1億ユーロ程度の投資を約束するにとどまったとされ、GL Eventsとの独占交渉開始を国が決めたことは、多少の驚きをもって迎えられている。バルニエ内閣が退陣に追い込まれ、政局が不安定化する中でも、あえて決定を下したことにも意外感がつきまとう。

契約期間は30年間となる。主要顧客であるFFFとFFRの両方から承認を得ることが契約成立の条件となる。