旧与党ルネサンスの幹事長にアタル前首相
マクロン大統領のルネサンス党は8日、新幹事長にアタル前首相を選出した。立候補したのは前首相のみで、94.9%の賛成により選出された。欧州委員会委員に就任したセジュルネ氏の後任となる。
アタル前首相は、ボルヌ元首相と幹事長職を争っていたが、元首相は前首相と合意を結んで立候補を取り下げることを受け入れた。党内の対立の表面化を避けることには成功したが、党内にはまだ不満がくすぶっている。前首相は下院の党議員団団長も務めており、幅広い権限を確保し、党勢の立て直しに着手する考えを示した。前首相は、マクロン大統領との関係が良好ではないといわれるが、選出に当たって、大統領が2016年の初当選に当たり示したビジョンに対する支持と賞賛の念を表明した上で、それ以来で、特に2022年の大統領選後に党への支持が低下したことを挙げつつ、党から離れた人々の意見を聞いて、挽回を期さなければならないと言明。特に、治安問題など国家主権にかかわる案件を重視する考えを示した。幹事長を選出した8日の党大会には、党の主要政治家が顔を揃えたが、ダルマナン前内相は個人的な理由を挙げて欠席しており、党には頼らずに次のステージを目指す考えであることをうかがわせた。
これとは別に、8日にアルデンヌ県内の選挙区で行われた下院補欠選挙では、接戦の末にルネサンス党所属のビュイベール元下院議員が、極右RNの候補を破って僅差で当選した。先の解散総選挙で、同選挙区では、現職だったビュイベール氏がRN所属のテルメ候補に議員の座を奪われていたが、テルメ議員(議会最年少議員だった)は、健康上の理由で辞任し、補欠選挙に至っていた。共和党候補はこの選挙でビュイベール候補の支持を表明、左派連合LFP候補は、RN候補の当選阻止を呼びかけていた。