サノフィ、中国・北京にインスリン工場を新設へ
仏製薬大手サノフィは2日、中国・北京にインスリン工場を新設すると発表した。同日に地元当局と投資合意に調印した。
調印式には、ウデア会長とハドソンCEOが揃って出席し、サノフィ側の意気込みをうかがわせた。サノフィは中国に42年前に進出したが、今回の投資額は10億ユーロ程度と、進出以来で最大の案件となる。
サノフィは現在、中国に4工場と研究開発拠点4ヵ所を保有している。昨年には北京の既存工場を拡張していた。北京の新工場はインスリンを生産する。世界の糖尿病患者(2022年に8億2800万人)の6割強がアジアに居住しており、中国国内の患者数は1億4000万人と、人口の11.9%に相当する。この割合はフランス(統計により3-6%)などと比べて高い。サノフィのウデア会長は、中国政府の開放政策の長期的な展望に固く信頼を抱いている、と言明。中国のビジネス環境が良好だなどとコメントした。なお、サノフィはシンガポールに6億ドルを投資して新コンセプトのモジュール式生産拠点(仏リヨンに9月に開設した「Modulus」の姉妹施設)を開所したばかりで、アジアに注力する姿勢を今回の中国投資で改めて示した。