11月1日付で一連の改正が適用された。

まず、法定最低賃金（SMIC）が2％引き上げられた。月額では現金給与総額ベースで1801.80ユーロ、手取りでは1426.30ユーロとなった。時給では11.88ユーロ（手取りでは9.40ユーロ）となった。SMICの年次改定は1月1日付で行われるが、バルニエ内閣は改定時期を2ヵ月早めて11月1日付で引き上げを実施した。

このほか、補足年金（Agirc Arrco）の支給額が1.6％引き上げられた。また、11月1日は、借家人の強制立ち退きの執行が不可となる冬季保護期間の起点となる。3月末日までの期間について、強制立ち退きが不可となる。山岳地方においては、同じ11月1日から3月31日までの冬季期間において、全車両を対象に、スノータイヤの着用又はチェーンの携行等が義務付けられる。この義務は2021年11月に施行されたが、これまで、違反行為の摘発が実施されていなかった。山岳地方の34県がそれぞれ対象市町村のリストを策定する。

これとは別に、10月のインフレ率（前年同月比）は1.2％となり、前月の1.1％からわずかに上昇した。目標である2.0％と比べて低い水準にとどまっている。インフレ率などに連動する形で利回りが決まるリブレA（利息非課税の貯蓄口座）については、次回の改定が2月1日になるが、現行3％が2.5％程度にまで引き下げられる公算が強まっている。