侵略的外来種は食べて排除、南仏NGOが取り組み
南仏エロー県の地中海岸に位置するトー湾で、侵略的外来種の除去を目的に、食用にする可能性を探る試みが始まった。マルセイヤン市にあるNGOのラカペシャードが開始した。
ラカペシャードは食文化をテーマとするサードプレイスを運営している。地元の自然保護団体Adenaの協力を得て、侵略的外来種18種を割り出し、うち5種を対象に、食用化による除去の可能性を探ることにした。3種の植物と2種の動物が選ばれ、植物では、米州原産のアオノリュウゼツラン、アジア原産のヤナギバグミ、アフリカ原産のCarpobrotus edulis(通称ピッグフェイス)が、動物では、ヌートリアとアメリカザリガニが選ばれた。ボランティアが集まり、ヤナギバグミの実を炒ったり、ピッグフェイスの葉を酢漬けにするなどして、地元でも受け入れられる食用の方法を探っている。
同団体は、伐採等を経て廃棄処分となる動植物を食用に有効利用できないかと考えてこのプロジェクトに着手した。ただ、商品価値が定着してしまうと、外来種の保存という本末転倒の結果を招きかねないことから、経済的な利用は考えていない。ただ、ヌートリアなどは、大西洋岸の一部地方で、肉がパテなどの特産品になっているから、もう手遅れであるかもしれない。