百日咳注意報!
百日咳という病気をご存知でしょうか。長引く激しい咳発作を特徴とし、特に生後3ヶ月未満の赤ちゃんで重症化しやすく、命にかかわるリスクのある疾患です。感染力がとても強く、ワクチン接種を受けていなかったり、接種後の時間の経過によって百日咳に対する免疫(抗体)が減衰している人々を中心に世界中で流行が見られています。
現在、フランスをはじめとしたヨーロッパ全土で百日咳の流行が報告されています。ワクチン接種による感染予防が最重要です。接種歴を今一度ご確認ください。
妊婦
重症化・死亡リスクの高い生後3ヶ月未満の赤ちゃんを守るため、妊婦さんのワクチン接種が強く推奨されています。妊娠中に接種を受けることにより、お母さんの体内で作られた抗体が胎盤を通して赤ちゃんへ移行されることになり、その結果、3ヶ月未満の赤ちゃんの百日咳の感染リスクを75%、百日咳による入院数を50%、死亡数を95%下げることができると言われています。妊娠20~36週の間に接種を受けるようにしましょう。また、それまでの百日咳ワクチン接種歴の如何に関わらず、妊娠毎に接種が必要となります。
妊婦さんが妊娠中にワクチン接種を受けられなかった、もしくは接種から出産まで1ヶ月に満たない場合は、同居のご家族のワクチン接種も推奨されています。25歳未満(子どもを含む)では過去5年以内、25歳以上では過去10年以内に接種を受けていない場合は接種を検討された方がよいでしょう。
子ども
日本、フランス共に、定期予防接種としてスケジュールに組み込まれています。
日本では生後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、1歳の計4回接種ですが、さらに任意で5~7歳、11~13歳で接種することも可能です。
フランスでは生後2ヶ月、4ヶ月、11ヶ月、6歳、11~13歳の計5回の接種義務があります。
大人
フランスでは25~39歳で追加接種を1回受けるように推奨しています。現在の状況を鑑みますと、特に免疫不全や慢性肺疾患などの持病を持っている人、小さな子どもと頻繁に接触の機会がある人(保育園勤務、ベビーシッターなど)は、過去10年以内(25歳未満の場合は過去5年以内)に接種を受けていない場合、接種を検討された方がよいでしょう。