今週のフランス

年金改革の再開:定年年限の引き上げと拠出期間の延長が有力か

マクロン大統領は先頃、中断されている年金改革を再開する意向を表明した。大統領は遊説先で、残り任期の1年間を有益にすることが大切だとし、「困難な決定」を下す考えを表明。中断されている年金改革野心的で極めて複雑であるため、これをそのまま再開することはできないと認めた上で、どのような改革を進めるか現時点では明言できないが、いかなる可能性も除外せずに検討すると述べた。

年金改革は世論の反発も大きく、その再開は政治的にも危険な賭けとなる。ただ、2020年の年金会計の赤字は180億ユーロに上り、このままでは赤字脱却は2030年中頃にならないと実現する見込みはなく、何らかの対策を立てる必要があるのは確かとなっている。具体的な展望は明らかにされていないが、年金支給額の削減・凍結は反発が大きく、年金保険料の引き上げも、政府と経営者団体のいずれも望んでいないため、あとは退職年齢の引き上げくらいしか残っていない。現在62才の定年年齢を64才に引き上げれば、年間で150億ユーロ程度の節減が期待できるという試算もある。年金拠出期間の延長については、2014年の改革により、2035年までに43年間へと段階的に引き上げることが決まっている。これを加速し、2027年までに引き上げを完了すれば、39億ユーロの節減が可能とされている。

政府は、新型コロナウイルス危機のため膨張した債務を削減に導くための信頼性のある展望を示すことを求められており、年金収支の健全化の道筋をつけられれば大きな助けになる。ただ、労組は警戒感を強めており、2019年末から2020年初めにかけて展開された年金改革反対の大型ストも記憶に新しい。

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