今週のフランス

マクロン大統領、ENA(国立行政学院)廃止を予告

マクロン大統領は8日、ENA(国立行政学院)を廃止すると発表した。2022年1月に実施する。

ENAは、高級官僚の養成学校として戦後に設立された。マクロン大統領自身もその卒業者で、ENA出身者は政財界の中核を担っている。エリート支配の象徴として批判の声は以前から根強くあり、マクロン大統領は、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動の収束策の一つとして、2019年4月にENA廃止を約束していた。その後、新型コロナウイルス危機で忘れられていた感があったが、大統領選挙から1年前というタイミングで大統領は廃止構想を再び持ち出した。

大統領が示したプランによると、ENAを後継する「公共サービス学院」が設立され、本拠はENAと同じくストラスブールに置かれる。新学院は、公務員養成の13校(国立司法官学院など)と一部のカリキュラム(エコロジー移行、デジタルスキルなど)を共同化する。入学試験制度は維持されるが、内容は手直しされる。ENAでは、卒業者は「グランコールドレタ」と呼ばれる中核的な行政組織(行政最高裁、会計検査院、財務省監察局など)に卒業時席次に応じて配属されることになっており、事実上、生涯に渡る採用(離職しても復職が可能)を約束されるが、改革後は、卒業後すぐに配属はなされず、「現場で数年間に渡り実務経験を積んだ」後に配属される形に改められる。復職に関する規定は新制度の下で見直しの対象になるという。ただし、席次制度そのものと、「グランコールドレタ」の制度は維持される。

大統領府は今回の改革を、1945年以来で最大のものだと喧伝するが、名前を変えただけで骨組みが同じ改革に意味があるのかと疑問視する向きもある。

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