今週のフランス

不法移民ほう助事件、最高裁で無罪が確定

最高裁は3月31日、不法移民をほう助した罪を問われていたセドリック・エルー被告人(41)の事件で、検察側の上告を棄却する判決を言い渡した。エルー氏の無罪が確定した。

エルー氏はイタリアとの国境に位置するアルプ・マリティム県の農民で、イタリアからフランスに入国しようとする難民を積極的に支援していた。2016年10月に、使われていない鉄道倉庫に57人の外国人(うち29人が未成年者)をかくまっていた件で、エルー氏は起訴された。イタリア側に赴き、難民を連れてフランスに戻った件でも責任を追及された。2017年には第1審と控訴審(リヨン高裁)とも被告人に有罪判決を言い渡したが、続いて行われた上告審で、被告人側は、不法滞在者への支援を違法行為と認める現行法令が憲法に抵触していると主張し、最高裁はこの点で憲法評議会の判断を仰ぐことに同意した。これについて、憲法評議会は、訴追を免除される支援行為を枚挙している法令を限定的過ぎるとし、憲法に抵触するとの判断を2018年7月に下した。これを受けて、国会は法令を改正し、直接又は間接の対価を一切伴わない人道的目的に限る支援行為を訴追の対象から外す旨が、同年9月10日の法律により定められた。リヨン高裁は2020年5月の差し戻し審で、新法に依拠して無罪判決を言い渡しており、今回、最高裁が検察側上告を棄却したことで、無罪判決が確定した。

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