今週のフランス

CAE、失業保険制度の改革を提案

首相府下の諮問・調査機関であるCAE(経済分析評議会)は12日、失業保険制度の改正に関する見解を公表した。踏み込んだ改革を提案する内容となった。

フランスでは、失業保険は労使共同運営を建前としている。2、3年に1度の頻度で制度は随時手直しされているが、労使間の合意が成立しない限りで、政府が介入して改正を決めている。最近では2019年7月に改正政令が公示されたが、新型コロナウイルス危機が浮上したため、その施行が延期されて現在に至っている。政府は近く、労使と失業保険制度の今後に関する協議を開始することになっているが、そうした中でCAEは独自見解を発表した。

CAEはまず、失業手当の給付額を、その時々の経済情勢に応じて加減する制度の導入を提案。現行制度においては、景気が良好で失業が少ない時にはむしろ支給の条件が寛大になるという傾向があるが、CAEは、むしろ逆に、景気が後退局面に入った時こそ、失業手当の条件を緩やかにするのが妥当だと指摘。米国やカナダの例に倣って、経済指標に連動する形で、失業手当の給付期間を長くしたり、受給資格を緩和するといった調整を行うことを提案した。

CAEはまた、失業保険のガバナンス改正も提案。失業者の就職活動の支援に関しては、官民部門の従業員、使用者、自営業者の代表からなる「交渉委員会」を設置して協議することを提案。従業員以外の自営業者や公共部門職員などを含めたガバナンスを指向すべきだと指摘した。また、失業保険予算を社会保障会計の中に組み入れることも提案した。

CAEの提案には労使の反発も予想され、政府がこれを採用するかどうかは微妙な情勢。

バックナンバー

提供
kaiin260 100
kaiin260 100

会員用ログイン

サイト内検索