今週のフランス

サルコジ元大統領のリビア不正資金疑惑:実業家のタキエディン氏が証言を撤回

サルコジ元大統領がリビアから資金を得ていたとされる事件で、元大統領の関与を証言していた実業家のジアド・タキエディン氏(70)がこのほど、これまでの証言を翻し、元大統領に資金が渡った可能性を否定するコメントを発表した。逃亡先のレバノンで、仏ニュース専門テレビ局BFM TVと写真誌パリマッチの取材に答えて発言した。

サルコジ元大統領は、2007年の大統領選挙(当選)の資金を確保する目的で、当時のリビアのカダフィ政権から一連の資金供与を受けていた疑いで追及されており、収賄など一連の容疑で予審(担当の予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き)の対象となっている。タキエディン氏はこれまで、2006年末から2007年初頭にかけて、サルコジ氏の事務所に500万ユーロの現金を持参して渡したなどと証言し、マスコミに対しても数度にわたりこの主張を繰り返していた。今回、同氏は一転して前言を翻し、以前に捜査を担当していたトゥルネール予審判事が証言を歪曲し、誤った形で広まったなどと説明した。

タキエディン氏はレバノンとフランスの国籍を有する実業家で、外国との大型契約に仲介人の形で介在してきた。いわゆる「カラチ事件」(パキスタンへの潜水艦輸出契約に伴い不正手数料が仏政界に渡ったとされる事件。カラチにおいて仏兵器産業の関係者らが被害者となった爆弾テロ事件の引き金となった疑いも持たれている)で欠席のまま去る6月に禁固5年の有罪判決を受け、国際逮捕状が発行されているが、レバノンに逃れている。サルコジ元大統領は、タキエディン氏の新たな証言を受けて、「ついに真実が明らかになった」とツイート。リビア資金を受け取った事実はないと繰り返し、訴追の無効化を請求する訴えを起こすと予告した。元大統領はこれまで、タキエディン氏を「狂人」、「嘘つき」と非難してきたが、その人物の発言を今度はそのまま真実と認める変わり身の早さはタキエディン氏の豹変ぶりとも通じるものがある。タキエディン氏が証言を翻した理由は定かではないが、自らの資産の差し押さえ解除に応じなかった仏司法当局への意趣返しだとする見方も取り沙汰されている。サルコジ元大統領の側近にタキエディン氏経由などでリビア資金が渡ったことを示す材料はほかにもあり、真相解明の行方が注目される。

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