今週のフランス

与党LREMの下院議員団、新団長にカスタネル前内相を選出

与党LREMの下院議員団は10日に行った投票で、新団長を選出した。カスタネル前内相が決選投票でオロール・ベルジェ下院議員(女性)を破り、選出を決めた。僅差での当選となり、議員団に大きな亀裂があることを改めて浮き彫りにした。

団長選挙は、ルジャンドル団長の辞任を受けて必要になった。選挙には5人が立候補し、勝ち残りの上位2候補の間で決選投票が行われた。カスタネル前内相は、第1回投票において97票、決選投票においては145票を獲得。ベルジェ議員は、第1回投票で81票、決選投票では120票を獲得し、僅差で敗れた。カスタネル前内相は、デュボスト候補(26票)とアナト候補(6票)から決選投票において支持を取り付けた。やはり立候補したドリュジー前環境相(59票)は、「個人的にベルジェ議員に投票する」とのみ発表して正式な支持の呼びかけは行わなかった。

ベルジェ議員は、マクロン大統領とは一線を画して議員団としての独自の意思決定を重んじることを提案。勝利はできなかったとはいえ、かなりの数の支持を獲得したことにより、議員団の内部で政府の決定に対する不信の念が高まっていることが改めて浮き彫りになった。カスタネル前内相はマクロン大統領を早くから支持した人物で、大統領にとっては自らに近い人物で議員団を束ねることに成功したのは大きい。

LREM下院議員団は、当初は単独過半数を維持していたが、左右の両陣営から人材を集めてできた寄り合い所帯であることから結束力は弱く、離脱者が相次ぎ、現在では単独過半数を失っている。最近では、協力先の中道政党MODEMに3議員を引き抜かれ、内憂外患の様相を呈している。夏休み明けの審議では、ネオニコチノイド系農薬の使用禁止措置の臨時解除に関する政府肝いりの法案が上程されるが、この法案にはLREM議員団内部に根強い反発があり、カスタネル新団長の手腕が早速試されることになる。

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