今週のフランス

研究多年次大綱法案、閣議に提出

ビダル高等教育相は22日の閣議に研究多年次大綱法(LPPR)の法案を提出した。2010年時点で国内総生産(GDP)の3%相当の研究開発支出を達成する(公的部門で1%、民間部門で2%)という目標がいまだに実現していない(全体で2.2%、公共部門で0.8%)ことを踏まえて、国の研究開発予算の増額を盛り込んだ。

法案は、2030年時点で年間の研究開発予算を200億ユーロに引き上げる旨を定めている。これは、現在に比べて50億ユーロ増に相当する。増額は段階的に行われ、2021年に4億ユーロ、2022年に8億ユーロ、2023年には12億ユーロと順次引き上げる。増額分は10年間の合計で250億ユーロに上る。研究部門では、ANR(全国研究庁)がプロジェクトを募集し、助成金を支給しているが、予算の増額により、応募の中で実際選定されるプロジェクトが占める割合が、現在の17%から、2017年の時点で30%へと上昇することが期待できるという。

法案はまた、研究者の増給についても定めており、2027年時点で2021年比にて9200万ユーロが各種の増額に充当されることになる。5000人の増員も盛り込まれた。

この法案については、閣議決定前から批判の声が上がっていた。特に、10年間と期限が長いが、現政権の任期は2022年で切れることから、将来的な実行の保障がない点が問題視されている。支出のうち、研究に充当される分が削られ、イノベーション支援に吸い取られてしまう恐れがあると指摘する研究者も多い。2030年に公的部門でGDP比1%の研究開発支出を実現するには、250億ユーロの増額では足らず、その4倍の額が必要だとする主張もある。

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