今週のフランス

年金改革:トップの受勲でブラックロックへの風当たり強まる

資産運用の米大手ブラックロックのフランス子会社で会長を務めるジャンフランソワ・シレリ氏が、1月1日付の受勲で、レジオンドヌール勲章オフィシエに任じられた。オフィシエは、レジオンドヌール勲章シュバリエの佩用者の中から選ばれる同勲章の2段階目の位階に相当する。シレリ氏は61才で、エンジー(エネルギー)のCEOを務めた大物経営者。ブラックロック・フランスの会長には2016年に就任していた。

ブラックロックはこのところ、年金改革を影で操っている黒幕であるとして、改革反対派による批判のやり玉に挙げられている。そのため、シレリ氏の受勲も厳しい批判の対象となった。年金改革には、高額の勤労所得に対する年金保険料の制度改正が盛り込まれているが、反対派は、これにより、高額所得者による積立年金の利用が拡大するため、資産運用世界大手のブラックロックにとって特に利益をもたらす内容だと主張している。現在の制度では、年間32万4000ユーロまでが年金保険料の徴収対象(料率28%、使用者負担分含む)となっているが、改革案は、これを年間約12万ユーロまでとし、それ以上の分については、2.81%の負担金を徴収する(年金受給額の決定において反映されない負担金)という形に改めることを提案している。反対派はこの改革により、賦課型の公的年金の制度が骨抜きになり、富裕者が自分のカネを利己的に使えるようになる、などと主張。富裕者のカネを預かるブラックロックのような資産運用会社を太らせるばかりであり、ブラックロックは政府とつるんで自らの利益のために年金改革を影から操っている、とも主張している。これについて、パニエリュナシェ経済閣外相は、「フランス市場など大手にとってはスマーティーズ(チョコレート)の箱程度の価値しかない。いつまでもフランスが世界の中心であるように考えるのはやめるべきだ」と言明。ブラックロックは、フランスで積立年金商品を扱ってはおらず、今後もその計画はないとコメントしている。

 

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