今週のフランス

パリ南郊で刃物による殺傷事件、テロ専門当局が捜査開始

パリ南郊ビルジュイフ市(バルドマルヌ県)で3日、刃物による連続殺傷事件が発生した。1人が死亡、2人が負傷した。犯人は警官隊により射殺された。事件の捜査は4日夜の時点でテロ専門の全国管区検事局PNATが引き継いだ。

事件は3日の昼過ぎに発生。ビルジュイフ市内のオートブリュイエール公園内で、50代の女性が犯人に刃物で襲われた。女性を助けようとした50代の夫が刺殺され、女性も負傷した。犯人は続いて、公園から近所のスーパーマーケットまでの間を移動しながら数人を襲撃。一部は逃れることに成功したが、女性1人が負傷した。犯人はスーパーマーケットの駐車場で急行した警官隊と遭遇、警官隊は警告後に発砲し、犯人は射殺された。

犯人のナータン・Cは22才。統合失調症で5才の頃から治療を受けており、2019年5月までに数度に渡る入院歴がある人物だった。犯行時には「アラーアクバル」と叫んでおり、また、2017年春にイスラム教に改宗していたが、当局による過激派としての監視対象にはなっていなかった。警察は当初、精神異常者の犯行と見て捜査を進めたが、犯人がコーランとサラフィスト(イスラム原理主義)の文書を所持していたことなどを踏まえて、テロ専門の検事局による捜査に切り替えた。犯人は人々を襲撃する中で、イスラム教徒であるという男性を、アラビア語で祈りをさせた上で見逃したといい、精神異常者がイスラム原理主義の影響下で犯した犯罪であることは疑いを得ない。背後関係の洗い出しが今後の捜査の焦点となる。

 

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