今週のフランス

マクロン大統領、欧州政策を巡り急進的な姿勢示す

マクロン大統領は英エコノミスト誌とのインタビューに答えて、欧州政策に関する見解を披露した。財政規律を疑問視すると共に、欧州防衛の新体制の必要性を力説した。

大統領はまず、財政赤字の対GDP比の上限を3%に設定する現行の財政規律を問題視。大統領は、現在、欧州の貯蓄資金が米国の公的債務を支える構図となっており、これは馬鹿げていると指摘。欧州の貯蓄資金は、クラウドや5G、人工知能(AI)などへの必要な投資に用いて、未来の成長を準備し、能力の向上を図るべきだと言明し、欧州と同じ財政規律に服していない米国や中国が巨額の投資を行っているのに比べて、欧州の対応は貧弱であり、これでは決定的に水をあけられてしまうと懸念を表明した。その上で、3%ルールは前世紀の産物であり、有益な投資を行う上で制約を解除すべきだと主張した。

大統領はまた、北大西洋条約機構(NATO)について、「脳死状態」という厳しい言葉を使ってその機能不全を追及。大統領は、シリア情勢を例にあげて、NATO内での協調なしに、加盟国が独自の決定を下す状況に陥っていると指摘。米国が一方的にシリア北部の特殊部隊の撤収を決め、トルコがシリア北部のクルド人勢力を攻撃した件を挙げて、NATOの機能不全は明白だとした。大統領はその上で、欧州が自ら防衛体制を構築する必要があるとしたが、欧州は極めて不安定な状態に陥っており、有効な手を打てないでいるのが問題だとも述べた。

 

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