今週のフランス

ルーアン市内の化学工場火災、政治問題に発展

ルーアン市内の化学工場が9月26日未明に火災を起こした件が政治問題に発展している。2日までに、下院は調査部会を、上院は調査委員会を設置することを決めた。

火災の際には黒々とした煙が上がった。付近住民の中には、煙の中に含まれていた有害物質について強く懸念する向きがあり、2日には2000人ほどが参加するデモが行われ、「真実を明らかにせよ」などと訴えた。同日夜には地元のセーヌ・マリティム県庁が、火災を起こした工場に貯蔵されていた物質の一覧を公表したが、政府への不信感を払拭するには至っていない。フィリップ首相をはじめとする閣僚5人が9月30日にはルーアン市を訪れ、健康に特段の危険はないとする当初からの説明を繰り返したが、懸念を抱く人々はこうした説明を信じようとはしていない。そこには、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動にも通底する政府への不信感が垣間見える。野党勢力もこの問題を政府の格好の攻撃材料と見定めて、声高に政府の対応を批判している。

火災時に出た黒煙は、風に吹かれて東北方向の帯状の地域に移動、汚染物質の一部は雨と共に地上に降着した。対象地域の農家は安全確認までの間、出荷停止の対象となっており、少なくとも1800ヵ所の農業経営体が被害を被った。セーヌ・マリティーム県内の112市、ソンム県の39市、オワーズ県の40市、エーヌ県の14市がその対象となっている。政府は被害を受けた農業経営体への補償を12日以内に行うと約束している。

 

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