今週のフランス

連帯富裕税(ISF)廃止等の影響調査が公表に

マクロン政権が実行した税制改革の効果に関する報告書が1日に公表された。連帯富裕税(ISF)の廃止とキャピタルゲインのフラットタックス導入に由来する影響について把握を試みる内容。首相府下の経済調査機関フランス・ストラテジーが作成した。

これらの税制改革については、富裕層を優遇する措置だとして導入当初から批判があった。特にISFの廃止は、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動の際にもやり玉に挙げられた措置だった。マクロン大統領は、成果を検討した上で必要なら修正すると約束しており、それに沿った最初の報告書の公表となった。報告書は、十分な時間が経過していないこともあり、成果の正確な把握は難しいと指摘しており、報告書の内容を紹介する報道を見ても、各紙の傾向に即した我田引水的な紹介が目立つ。

報告によると、ISF廃止に伴う税収減は初年に45億ユーロと、当初予想の51億ユーロより小さかった。ISFに代わって導入されたIFI(不動産資産課税)の税収が、当初予想の8億5000万ユーロを上回り、13億ユーロに達したことなどが影響した。フラットタックスは14億-17億ユーロの税収減を招いた。企業が、株主にとってより有利となった配当を増やした可能性などの評価は難しい。ISFの廃止の目的は、資産家の国内還流を促し、また生産的な投資の拡大を促すことにあったが、この点、初年だけでは数字による把握は困難とされている。ただ、ファンドマネジャーを対象にした調査からは、還流効果はともかく、国外流出の抑止効果は見受けられたという。減税分が生産投資に充当されたかどうかは判然としないという。

 

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