今週のフランス

政府、住宅手当(APL)制度改正を延期

政府は住宅手当(APL)の制度改正を今年中に施行する予定だったが、これを2020年年頭以降に延期した。政治的な理由による延期と見られる。

政府は今年年頭から所得税の源泉徴収を開始。これに伴い、住宅手当の支給額を足元の所得水準の変動に合わせて改定する新制度を導入する予定だった。住宅手当は現在、直近2年間の所得水準に基づいて、支給の是非が決められ、また支給額の算定も行われている。所得税源泉徴収化により、現時点の所得水準の把握が可能になることから、直近1年間の実績を基準に、3ヵ月ごとに支給額を改定する新制度の導入を政府は計画し、当初は4月1日にも導入する予定だった。ただ、政府は、準備不足を理由に、2020年年頭以降に導入を延期することを決めた。

政府は新制度について、より公正な制度作りを導入の理由に掲げているが、実際には、国にとって年間9億ユーロ程度の節減につながる措置となっていた。これは、収入が急減した場合に支給額を即時に改定する制度は既に導入済みであるため、新たな制度改定は専ら、逆に収入が増加した場合に生じる払い過ぎの額の削減という結果を招くためで、移行すれば、受給者のうち120万人で平均年間1000ユーロの支給減、60万人は支給打ち切りになるという試算もある。これに国民の不満が集中するのを避けるため、政府は導入のタイミングを見計らって、とりあえず延期を決めたという見方がある。

 

バックナンバー

kaiin260 100

会員用ログイン

サイト内検索