今週のフランス

ヨーロッパコープ、民事再生手続きを申請

映画監督のリュック・ベッソン氏が経営する映画会社ヨーロッパコープがこのほど、民事再生手続きを申請した。6ヵ月の期間を設定し、株主及び債権者団と事業継続を目指して協議する。

ヨーロッパコープは数期に渡り赤字決算が続いており、時価総額は3500万ユーロまで下がっている。ベッソン監督は1億9700万ユーロの巨額予算を投じて「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」を制作・監督し、そのシリーズ化・マーチャンダイジングで収入の安定化を図る計画だったが、映画の失敗により目算が外れた。このところは数度に渡る資産売却を経て形勢挽回を図っていたが、民事再生手続きの利用に至った。

ヨーロッパコープは上場企業で、38%株式をベッソン監督が、28%株式を中国のFundamentalが保有している。力関係では債権者団の方が強く、JPモルガンがまとめるシニア債保有者が合計で1億3800万ユーロ相当の債権を保有(2019年10月21日に償還期限)、米ヘッジファンドのVineが保有するジュニア債が8000万ユーロ相当(2020年4月に償還期限)となっている。株式書き換えが選択された場合、Vineが筆頭株主になる勢いだが、横やりが入る可能性もある。解決策としてはこのほか、新たな投資家による出資を仰ぐ可能性などが考えられる。ヨーロッパコープの主要資産は過去に制作した映画の権益(評価額1億4400万ユーロ相当)で、ベッソン監督の今後のクリエーション力が投資を呼び込む元手になるが、足元でセクハラ疑惑も浮上する中で、誘致力がどれだけ残っているかが将来を左右する鍵となる。

 

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