今週のフランス

ADP民営化計画、禁止の是非を問う国民投票を憲法評議会が承認

憲法評議会は9日、ADP(パリ空港会社)の民営化禁止を求める国民投票実施請求を承認する決定を下した。これにより、ADPの民営化は早くても2020年にずれ込むことが確定した。

ADPは上場企業で、国は現在、過半数資本を保有しているが、先に国会で可決された通称PACTE法案は、国の出資率を50%未満に引き下げることを認める条項を盛り込んでいた。これには左右の野党勢力が協力して反対し、初めて議員発議による国民投票(RIP)制度の請求を行っていた。憲法評議会はこれを合憲と認めた。

RIPにおいては、議員提出の法案を核として、一定数の議員の署名を得て請求が行われる。憲法評議会は、それが規定に即した対象のものであるか、また、1年以内に施行された法律を廃止する内容でないかを審査し、諾否を決めることになっている。今回の請求の場合、可決されたばかりの法案の条項を廃止する内容であるため、憲法評議会が禁止を決める可能性があったが、民営化反対派はこれを見越して、PACTE法案が可決される直前にADP民営化を禁止する法案を提出、憲法評議会もこれを規定に抵触していないと認めた。

国民投票の実現にはまだハードルがあり、まず、9ヵ月の期限内に470万人の国民の署名を得る必要がある。次いで、問題の法案の採否を国会が6ヵ月以内に決めない場合に限り、国民投票が行われる。これにより、9ヵ月以上は決着がつかない状態となる。経済省も、手続きが終了するまでは民営化は行わないと発表しており、民営化が実現するのは2020年以降となることが確定した。政府は、ADPの民営化収入を利用して、イノベーション基金(年間2億ユーロ)を運営し、公的債務残高を削減する計画だったが、あてが外れた格好になった。

 

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