今週のフランス

ADP民営化計画:反対派の野党議員が国民投票を請求

ADP(パリ空港会社)の民営化に反対する左右の野党議員らが9日、国民投票の請求を行うことを明らかにした。請求の手続きを開始するには、185人の国会議員が署名をすることが必要だが、保守野党の共和党、左派野党の社会党、共産党、さらに左翼野党「不服従のフランス(LFI)」の議員らが大同団結で合流し、197人が署名を約束した。議員らは共同で、ADPを民営化の対象とすることを禁じる内容の議員立法法案を提出する。

今回の請求は、RIP(共同発議国民投票)と呼ばれる制度を利用した初のケースとなる。この制度は2008年の法改正により導入されたものだが、実現までのハードルが高く、これまで利用されたことはまったくなかった。具体的には、185人の国会議員が署名で請求し、議員立法法案の可決のために国民投票を組織するという流れになるが、署名が集まった後、憲法評議会に対して申請を行い、評議会が適法性審査を経てその諾否を1ヵ月以内に決定し、その後9ヵ月以内に有権者の10%に相当する450万人の署名を集め、次いで、当該法案の国会審議が6ヵ月以内になされなかった場合、最後の手段として国民投票の実施がようやく認められることになり、数多くの条件をクリアしなければ実現しない。

憲法評議会の適法性審査においては、当該の法案が、過去1年以内に施行された法律の規定に抵触するものではない旨の確認がなされる。ADP民営化を可能にする条項は、近く可決される予定の通称PACTE法案に盛り込まれており、これが施行された後では申請は受理されなくなる。そこで、野党議員らはこのタイミングで申請を行うことを選んだ。ADP民営化の行方もさることながら、「黄色蛍光ベスト」派の要求の中に掲げられていた国民投票の活用を実際に試すケースにもなり、成り行きが注目される。

 

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