通信・情報・エネルギー:長谷川 宏司/関西電力

新年あけましておめでとうございます。

 

昨年はパリで史上最高の42.6度を記録するなど世界各地で異常気象に見舞われ、地球温暖化の影響が本当に心配になってきました。

欧州では、温室効果ガスを2020年までに1990年比で20%削減(達成済み)、2030年までに1990年比で40%削減することを目標としています。また、EU委員会は削減率のさらなる引き上げを主張しており、昨年12月のEU首脳会議では、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標で合意(ポーランドを除く)しています。このように高い目標を立てて、各国にその達成を求めているところです。エネルギーの分野としては、2020年までに最終エネルギー消費の20%を再生可能エネルギーに、2030年までには32%とすることとしています。

 

フランスはというと、上記のEU首脳会議での合意同様、2050年のカーボンニュートラルを大きな目標としています。また、フランスは発電時における温室効果ガスの少なさでは優等生であり、その理由は、総発電量の70%程度が原子力発電、残り30%のうち20%程度を再生可能エネルギーにて発電しているからです。EDFは、再生可能エネルギーの推進、石炭火力売却、原子力の縮小を方針としており、大規模な太陽光発電や風力発電の開発を進めていく予定です。同様にENGIEも再生可能エネルギーに注力しており、グループ内の再生エネルギー発電電力量比率について25%を目標にしています。このように、再生可能エネルギーは着実に増加していくことでしょう。特に洋上風力発電に関してフランスは、他のEU諸国に比べ開発が遅れていましたが、昨年、反対派からの訴訟に対して最高裁判所で勝訴し、本年以降、プロジェクトが加速されると思われます。一方、洋上風力発電は競争が激化してきており、利益が出にくい事業となりつつあります。大規模化によるコストダウンも図られていきますが、これまでに比べてリスクの高い事業となっていくと思われます。

また、太陽光や風力といった大量の不安定な再生可能エネルギーが増加すると、電力の安定性(周波数等)を保てなくなり、最悪の場合、以前北海道で起こったように大規模停電が発生しかねません。欧州は各国間で送電線が張り巡らされているため、現時点ではそのような心配は小さいですが、ますます増える不安定な電源に備えていく必要があります。これに対応するために、上流側(供給側)での蓄電池、水素による蓄電、下流側(需要側)での負荷平準化(電力消費のコントロール)が重要になってきており、これらへの投資、実証試験がさらに活発になってくると思われます。また、これに伴うデジタル化も重要なキーワードです。

 

今年1年で大きく変貌するということはありませんが、上記の流れはさらに大きくなり欧州は脱炭素、再生可能エネルギー、さらには蓄電等の先駆者となっていくことでしょう。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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