商社・貿易・経済協力:元砂洋樹/仏国三菱商事会社社長

2020年業界見通し(商社)

 

新年明けましておめでとうございます。

2020年の年頭にあたり、在仏商工会議所会員の皆さま、ご家族の皆様が御健勝で御多幸でありますよう、心からお祈り申し上げます。

 

2020年の欧州は、米中貿易摩擦や中国経済減速等の影響も受け、1%程度の低成長が続く見通しと言われます。また、IFRI(フランス国際関係研究所)が地政学的論点について毎年発表していますが、「コンパスなき世界」と題された同書によれば、2020年は、「危険化する海」、「溶解していくラテンアメリカ」、「多国間主義の将来」の3点が懸念だといいます。

 

2020年も引続き不透明感が続く年になりそうですが、本年の見通しとして、3点述べさせて頂きます。

 

先ず、急速なデジタル化による産業構造の変化の進行は待ったなしの状況で、民間企業としては、必要な対応を図り、構造変化にキャッチアップしていかなければならないと思います。AI/IoTにより労働機会を奪われる人が生じる懸念もあると言われます。生産性を引き上げるためにデジタル化を進める中でも、貴重な労働力人口を一部置き去りにすることがないように、企業が政府等とも連携する必要も出てくると思われます。

 

次に、多国間協力・経済連携協定の促進によるビジネス環境の変化です。昨年2月に発効した日本・EU EPAは、人口約6億人、世界GDPの3割を占める日欧の貿易協定であるとともに、保護主義への対抗の観点でも非常に意義が大きいと思います。日本及びEUという巨大な市場で、関税・非関税障壁が取り除かれていくことは日本企業にとって大きなプラス言えます。関税が減少するなどのプラスの効果があると思います。

 

最後に、環境問題対応です。フランスにおいては、「数年次エネルギー計画」や「エネルギー・気候法」等で、2050年のカーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)の達成を目指し、再エネの導入強化等、様々な施策や制度が導入されています。EUレベルにおいても同様の政策推進に拍車がかかっています。また、使い捨てプラスチック製品を2040年までに全廃する法案がフランス国民議会で採択されています。全面禁止措置は目標として設定され、法的な拘束力はないとのことですが、企業としては、これらの「理念先行型」の取組みをしっかりと注視し、制度や規制を踏まえたビジネス構築を行う必要があると思います。

 

令和二年 元旦

 

仏国三菱商事会社社長

元砂洋樹

 

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