ICT(通信・IT)業界:小林 正美/シュークルキューブ テクノロジーズ
新年明けましておめでとうございます。
在仏日本商工会議所会員の皆様、そしてご家族の皆様に謹んで新春のお慶びを申し上げます。
IT技術は日々進化しており、昨今のICTの世界トレンドは「ビッグデータ」「IoT(Internet of Things)」「AI(人工知能)」。特に、AIを活用した技術は進み膨大な量のデータを分析し、人間の思考や行動をソフトウェアによって再現する技術が一気に発展しています。
総務省の令和4年版情報通信白書によると、上記のように世界のICT(IT)市場は拡大を続けており、2021年には市場規模が465.2兆円に達しています。2023年の日本のデジタル関連予算はおよそ150億円、フランスでは2021年に発足した仏政府のイノベーション技術開発支援計画「France2030」を通じ、将来のテクノロジーに関する予算は総額105億EURを予定しています。
今後、最新の技術により人の判断や意思決定のプロセスが自動化され、ますますビジネスの世界に浸透していくと考えられますが、それらの最新技術を使いこなす際に個人情報保護を含めたセキュリティを考えたIT環境を改めて整えることも大切です。
例えば、2020年の新型コロナ禍の機会にクラウド環境を使用したファイル共有へ移行された会社様も多いかと思います。当時は急激な業務環境の変化により社外からのアクセスを容易にすることを目的で導入し、結果、運用にかかる時間や手間を大幅に短縮することが出来たかと思いますが、今後はその導入したクラウド環境の特性を踏まえ、よりセキュアなクラウドの活用方針を策定し、全体的なネットワークの可視化設計などが必要です。
そして、今までのサイバーアタックなどの攻撃をどう防ぐかという考え方から、障害が発生してしまった際に回復する能力をもつ「テクノロジー、サイバーレジリエンス」もキーワードとなっていくと考えられます。
サイバーレジリエンスというのは、企業を取り巻くIT環境が変化する中でセキュリティ対策の実施を行っていても攻撃を完全に防ぐことは難しいという前提のもと、サイバー攻撃を受けた後の復旧へ焦点を当てたセキュリティの考え方です。企業にとって適切なセキュリティ対策を実施することは必須ですが、日々進化するインターネット環境、サイバーアタック、近年の働き方の多様化に伴う環境の変化に合わせ、障害が起きてしまった後考え方であるサイバーレジリエンスの考え方も導入しつつ保守をするべきといえるかもしれません。
以上、2024年のIT業界のトレンドを、弊社サービスの観点から述べさせていただきました。
弊社は、フランスに事務所を置かれている日本企業様の現地に特化したIT環境構築・サポート、WEBサイト構築など、将来を見据えたご提案をしております。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
参考出典:総務省統計局 / France2030