性教育の新プログラム、ボルヌ教育相は実施に決意示す
政府が計画する性教育の新プログラムについて、教員や父兄の代表などにより構成される諮問機関CSE(教育高等評議会)の会合が1月29日に開かれた。ボルヌ教育相はこの機会に、新プログラムの決定と実施に優先課題として取り組む決意を再確認した。
性教育の新プログラム「EVARS」は、2023年6月に教育省が準備に着手した。2024年3月に原案が提示されたが、一部から激しい批判が生じており、策定作業が難航している。30日には、3回の改定を経たバージョンが審議の対象となったが、まだ論争は収まっていない。
カトリック系の父兄団体などは、新プログラムの内容が、LGBT寄りの偏った内容だと主張して反発している。特に、「家族組合」(同性婚反対運動を展開した組織「みんなのデモ」の流れをくむ団体)は、性教育の実施そのものに反対している。それに対して、教員組合の多くは、反対派に配慮しすぎて骨抜きの内容になったとみて、今回の評議会の会合でも、数多くの修正案を提出して、見直しを要求した。保守派は、「性的同一性」の概念を取り扱うことに反発を示しており、また、「新しい家族の構成」(両親がともに男性または女性など)を低学年から紹介することにも抵抗を示している。
ボルヌ首相は、必要な修正に応じると言明し、保守派の圧力にはひるむことなく、新プログラムの策定を進める考えを示した。2025年9月の新学年からの施行が目標となるが、政治的な不安定もあり、実現は確実とはいえない。