サルコジ元大統領、贈収賄結託容疑での有罪判決が確定
最高裁は18日、サルコジ元大統領らが起こした上告の訴えを棄却する判決を下した。サルコジ元大統領の有罪判決がこれで確定した。
この判決は、いわゆる「ビスミュート事件」について下された。この事件は、サルコジ氏が顧問弁護士のエルゾーグ氏と2014年に交わした電話連絡を捜査当局が別件で盗聴していたことから浮上した。サルコジ氏は当時、別件の贈賄疑惑(ベタンクール事件)で追及を受ける可能性があり、エルゾーグ氏との間で、最高検察庁のアジベール検察官に便宜を図り、その見返りに捜査情報を入手するという趣旨の相談をしていた。当局は3氏を、贈収賄を目的とした結託の容疑で起訴。控訴審判決は3人の被告人にいずれも禁固3年(うち1年が実刑部分で、発信機装着を条件に収監されずに刑の執行を受けることが可能)の有罪判決(サルコジ氏については3年間の被選挙権停止を伴う)を言い渡していた。被告人らは揃って判決を不服として上告し、贈収賄が成立していないことや、電話盗聴の不当性などを主張して争ったが、最高裁は被告人らの主張を退け、下級審の判決を支持した。
サルコジ元大統領は近日中に刑の執行開始を受け入れる見通し。大統領経験者が有罪判決を受けたのは、シラク氏(故人)に前例があるが、シラク氏の場合は、刑の執行免除付きの有罪判決であり、収監されないとしても、大統領経験者が刑の執行を受けるのは今回が初めて。元大統領は弁護士を通じて、欧州人権裁判所に対して、人権を侵害する不当判決であることを訴えて提訴すると予告したが、欧州人権裁への提訴には、仏裁判所の判決の執行を妨げる効果はない。
サルコジ元大統領はこれとは別に、いわゆるビグマリオン事件(2012年の大統領選挙における選挙資金の上限超過を隠すために会計上の操作を行わせていたとされる事件)でも、禁固1年(実刑部分は6ヵ月)の有罪判決を不服として上告しており、その判決が来年に出されることになっている。また、さらに別件のリビア不正資金事件(2007年の大統領選挙時)の第1審裁判が、1月6日に始まる。