イルドフランス地域圏、「空飛ぶタクシー」の試験運用許可を取り消し
イルドフランス地域圏(パリ首都圏)議会は15日、いわゆる「空飛ぶタクシー」の試験運用許可を取り消す決定を下した。許可は年末までの期間に有効だったが、これを取り消した。また、パリ市内のオーステルリッツ河岸に整備予定だった発着場向けの補助金100万ユーロも取り消した。
パリ市内と空港などを結ぶ「空飛ぶタクシー」の試験運用は、ADP(パリ空港会社)と、電動垂直離着陸機を製造の独Volocopter社が共同事業として取り組んでいたもので、パリ五輪の際にデモンストレーションが行われる予定だった。ただ、環境問題などを理由に、正式な許可が出るのが遅れて、地元のパリ市も計画に敵対的な姿勢を見せていた。イルドフランス地域圏議会は、フランス及び欧州当局からの型式承認が得られていないことを理由に、年内の試験運用に道を閉ざす決定を下した。
「空飛ぶタクシー」の市場規模は、欧州で2030年までに42億ユーロにまで達するとの予測もある。ただ、パリ市を含むパリ首都圏の自治体の一部は、騒音などのマイナス面を挙げつつ、一握りの金持ちのためのサービスだとしてこれに敵対的な姿勢を示しており、実現の可能性が遠のいている。