西澤 宏章 在仏日本商工会議所 会頭
在仏日本商工会議所会員の皆様
2025年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
はじめに、会員企業の皆様には、会議所活動への多大なご協力をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。また、日頃より格別のご支援を賜りました在フランス日本国大使館をはじめとする日仏関係各機関の皆様方に、会議所を代表して心より御礼を申し上げます。
さて、昨年はパリオリンピック・パラリンピックが多くの感動とともに大成功裡に終了し、遺憾なく発揮されたフランスの底力に改めて感服いたしました。またコロナ前の2019年を上回る旺盛なフランス人の訪日需要もあって日仏両国の経済・文化交流が活発な一年となりました。
一方で、終息が見えないウクライナ戦争、緊迫が続く中東情勢、フランス国内へのテロ波及リスク、経済面では長く続く円安トレンド、エネルギーや原材料の価格高騰によるインフレ懸念、政治面では主要先進国の国政選挙において政権与党の敗北が続き、フランスにおける内閣不信任案可決による政局不安定、日本の少数与党政権運営、そしていよいよ1月20日に発足する第二次トランプ政権など不安材料が高まる厳しい環境が続いております。
そのような中、当会議所は創意工夫しながら有意義な会議運営や各種セミナー・親睦イベントを積極的に実施してまいりました。具体的には新年度がスタートした昨年4月以降、4月-12月の9ヵ月間で、実務セミナー及び各種セミナー、例会、講演会、無料法律相談を16回、会員親睦や地方視察・交流、ネットワーキング、分科会イベントを8回、また、理事会や各委員会の定例会が合計35回開催されました。
特に近年注力している「地方との結びつき」という点では2022年のオクシタ二ー州視察、2023年(日本アルザス交流160周年)のアルザス訪問に続き、昨年は2月にマルセイユ、11月にリヨンを視察。また9月にはオー・ド・フランス地域圏のCLUB JAPON発足式、グラン・テスト地域圏における日系企業連絡協議会に出席し、日仏双方の関係者と活発な議論を通してコミュニケーションを深めてまいりました。
日仏投資促進にも繋がるビジネス環境の整備の観点では、10月21日に「Club Japon 2024」をビジネス・フランス、在フランス日本国大使館、JETROパリ事務所とともに昨年も開催。地政学リスクの収束が見えない現在だからこそ、経済安全保障の観点からも信頼の持てる同志国間での連携を強めることで製品の供給及び生産するための部材や資源調達等安定したサプライチェーンを構築していく重要性を確認しつつ、2023年12月に締結された『「特別なパートナーシップ」の下での日仏協力のロードマップ 』をベースに経済・科学・技術・文化・研究・教育・人的交流・スポーツ等幅広い面での具体的な協力、地球規模課題への対応への期待につき、幅広く言及いたしました。更には日系企業にとって投資促進に繋げていくためにもインフラともいうべきビジネス環境の整備について、引き続き丁寧なコミュニケーションと力強いサポートをビジネス・フランスにお願いしております。
これら多方面にわたる活動を行うことができましたのも、ひとえに会員各位の当会議所活動に対する深いご理解とご尽力の賜物と心より感謝申し上げます。今年は大阪・関西万博が開催されます。会議所としてもこういった機会を活かし、既述の複数の線を走らせながらビジネス環境を整え、投資促進の流れを強化し、日仏における経済・文化交流の絆を一層太く長いものへと繋げていければと思います。
引き続き、会員の皆様、関係各所と連携を密にして力を合わせて課題を解決し、「会員利益」「日仏交流」「会員親睦」の実現に向けて、一層力強く取り組んでまいりたいと思います。
本年も変わらぬ皆様のご支援とご協力を何卒よろしくお願いいたします。
末筆ではございますが、皆様そしてご家族の皆様の今年一年のご健康とご多幸を心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
令和七年(2025年)元旦
在仏日本商工会議所 会頭
西澤 宏章
(日本航空株式会社 パリ支店長)