CCIJF – 在仏日本商工会議所

銀行・証券・保険:山形 賢史/MSIG Insurance Europe AG(三井住友海上火災保険), France Branch

新年明けましておめでとうございます。
在仏日本商工会議所会員各社の益々のご繁栄と、会員各位並びにご家族の皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

2024年、私個人として最も印象に残ったイベントはやはりオリンピック・パラリンピックでした。

弊社はスポーツ振興にも力を入れており、女子柔道部・女子陸上競技部・トライアスロン部・パラアスリートの選手計7名が出場。日々の鍛錬の成果を発揮しご家族や同僚、応援団の期待に応えようとする選手の姿に大きな感銘を受けた次第です。

他方、ロシア・ベラルーシの選手が「国としての参加」が認められない等、あらゆる局面で地政学リスクの不安定さを感じる一年でした。

ロシア・ウクライナ戦争や、中東での武力衝突(イスラエルvsハマス・ヒズボラ・イラン)は、金融市場や世界経済をはじめ民間企業の事業活動・投資戦略にも多大な影響を与えました。

早期解決に向けた動きに期待するところですが、EUと米国の結束、トランプ政権の外交・安全保障に対する政策は、地政学リスクや世界的な金融市場に大きく影響を与えるため、引き続き注目したいと思います。

また、地政学リスクに加え気候変動リスクによる事業活動への影響も年々深刻化しています。

2024年、日本では元旦に能登半島地震が発生しましたが、世界全体の2024年上半期損害額は1,200億ドルなり、過去 10 年および30 年の平均値を大きく上回りました。

2024年は観測史上最も暑い年になることが「事実上確実」だとする予想を、EUの気候監視ネットワーク「コペルニクス気候変動サービス」が先日リリースする等、前例にない異常高温な1年であり、フランス隣国のスペインやケニアで致命的な洪水、アラブ首長国連邦、イエメンなどでは記録的大雨、米国とフィリピンでは激しい熱帯暴風雨、南米全域で深刻な干ばつと山火事が発生しました。

災害の激甚化・頻発化が進行していることから、防災や減災に対する対策を一層強化し、リスクの回避・最小化を図りつつ持続的に事業を成長させる舵取りが求められています。

損保業界としては、リスクにさらされる個人・企業に対して「保険」の価値を継続的に提供するとともに、気候変動リスクを低減させるための啓蒙活動や、防災・減災・早期復旧に関連するサービスを提供し、社会に価値を提供して参る所存です。

欧州グリーンディールはじめ世界各国でのサステナ関連取組み、今後見込まれるウクライナ復興需要等、社会課題の中にこそ価値創造の機会はあり、2025年も日系企業に様々なビジネスチャンスが生まれるものと期待しています。業界としては、日々進化するお客さまの期待に対して、付加価値あるサービスを提供し、皆さまのチャレンジを陰ながらお支えし社会に貢献して参る所存です。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。