電気・電子 他:早崎貴宏/コニカミノルタ
2025年の新春を迎えるにあたり、所感の一端を申し述べ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
フランスの電気・電子製造業界にとって、2024年はグローバルなサプライチェーン問題の影響を受けつつも、国内外で重要な進展を遂げた年でした。特に半導体不足が業界全体に深刻な影響を与えましたが、政府の支援やEUの半導体製造強化プロジェクトへの積極的な参加により、国内での製造能力を向上させる動きが本格化しました。また、再生可能エネルギーや電動車両関連技術の需要が急拡大し、スマートグリッドやエネルギー貯蔵技術が注目されるとともに、5Gインフラの展開が進んだことで通信関連機器市場の成長が顕著でした。一方で、エネルギー価格の高騰や熟練労働者の不足が中小企業にとって大きな負担となり、業界の持続的成長には依然として課題が残る一年でもありました。
本年は、技術革新とサステナビリティの推進が業界の成長を牽引することが期待されます。特に半導体製造能力のさらなる向上により、サプライチェーンの安定化が図られる見通しであり、再生可能エネルギー市場の拡大に伴う電力変換装置や電池関連製品の需要増加も見込まれています。また、5Gネットワークの本格的な普及が通信インフラ市場を押し上げると同時に、IoTやAI、ロボティクスといったデジタル技術の普及が産業用電子製品の成長を後押しすると考えられます。しかしながら、サプライチェーンの多様化やアジア依存からの脱却、熟練労働者不足への対応といった課題への取り組みも引き続き求められるでしょう。2025年は、政府の支援と技術革新を基盤に、グリーンエネルギーとデジタル化がフランスの電気・電子製造業界の持続可能な成長を支える重要な年となる見込みです。
結びとしまして、本年が皆様にとって大きな飛躍の年となる事を心より祈念申し上げます。
令和七年 元旦
コニカミノルタ
早崎貴宏