CCIJF – 在仏日本商工会議所

サノフィ、ロレアルより30億ユーロ規模の自社株買いを実施

仏製薬大手サノフィは3日、自社株2.3%相当を仏化粧品大手ロレアルより取得すると発表した。1月31日に予告した50億ユーロの自社株買いに着手する。

ロレアルからの取得価格は1株101.5ユーロで、これは31日の株価比で2.8%安となる。取得は数日中に完了する見込みで、30億ユーロ程度が投じられる。買い入れた株式は4月29日までにすべて消却され、1株益の上昇による株価支持の効果が期待できる。サノフィは、大衆薬部門の子会社Opellaを、米投資会社CD&Rに売却する計画で、6月末までの実現を目指しているが、これの売却収入を前倒しで株主に還元する。

ロレアルはこの売却後で、サノフィ株式7.2%相当を保有し、議決権では13.1%を確保する。同社は30億ユーロ程度の売却収入を、最近の一連の企業買収を経た後の貸借対照表の最適化に充当する。50年余りに上るサノフィとの信頼関係に依拠した取引だとも説明し、出資を継続する意志も確認した。なお、ロレアルの純負債は6月末時点で64億ユーロだったが、8月にはスイスのガルデルマ(皮膚医薬品)の10%株式を約17億ユーロで買収していた。