CCIJF – 在仏日本商工会議所

食品・化学・薬品・化粧品:塚本 康博/資生堂ヨーロッパ

在仏日本商工会議所会員の皆さま並びにご家族の皆さまに謹んで新春のお慶びを申し上げます。

化粧品業界においてサステナビリティが企業の重要なテーマのひとつとなって久しいですが、弊社でもブランド「SHISEIDO」がグローバルサステナビリティパートナー「World Surf League(WSL)」の公式サンケアパートナーとして、環境保全活動を継続するとともに、昨年のパリ五輪のサーフィン大会の前哨戦となるタヒチにて、「SHISEIDO Tahiti Pro」として冠協賛として参加しました。大会や肌を守るサンケア商品を通してサステナブル活動をさらに加速し、弊社はこれからも環境保全に貢献して参ります。

化粧品業界の見通しとしては、昨年よりもさらに生活者の消費に対する意識やニーズが多様化、細分化していくことが予想され、その変化に透明性をもって即応することが求められます。生活者のトレンドは、成分を主導とする低価格ブランドへの需要が高まっており、特に効能や成分にこだわりを持つ生活者が増加しています。一方でラグジュアリーブランドの需要は依然として底堅く、美容医療の発展と合わせて、エイジングケアのニーズはより高度化しています。生活者は、効果的で専門的なアプローチを求めるようになっており、スキンケアや美容医療の高度な融合が進んでいくでしょう。加えて、健康寿命の延伸に伴い、心身の健康を包括的にケアするエイジングケアへの関心も高まっています。単なる外見の若返りに留まらない心や体の健康を支えるケアに注目が集まっており、化粧品の枠を超えたホリスティックな体験の提供が求められているのでしょう。このようなトレンドを見据え、デジタルツールにおけるリアルタイムでの発信や双方向のコミュニュケーションを効果的に使用して、顧客エンゲージメントを高めていきたいものです。

グローバル市場の見通しは、今後も各国の社会的情勢によって大きく左右されることが予想されます。予測のできない変化の中にでも右往左右することなく直向きに価値を創造して参る所存です。

最後になりましたが、本年も皆さまにとって素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。