仏「マザン事件」で昨日判決:夫人に薬物を投与の強姦夫に禁固20年
ボークリューズ犯罪法廷で19日、いわゆる「マザン事件」の裁判で判決が言い渡された。主犯に禁固20年の有罪判決が下された。
「マザン事件」の名前は、犯行がなされた町の名前に由来する。主犯のドミニク・ペリコ被告人(72)は、2011年から2020年にかけて、夫人のジゼール・ペリコさん(72)に睡眠薬などの薬剤を投与して眠らせて、自ら強姦したり、インターネットで募った顧客に供するなどしていた。被害は合計で200件を超え、ペリコ被告人は、一部始終を撮影した膨大な動画を所蔵していた。同被告人には、求刑に沿って、この罪状の最高刑である禁固20年が言い渡された。顧客として起訴された50人の顧客には、禁固3年(うち2年が執行猶予つき)から、禁固15年までの有罪判決が言い渡されたが、いずれも求刑よりは軽い量刑となった。
被害者のジゼール・ペリコさんは、この種の事件で通常は選ばれる非公開の裁判とすることを拒否し、自ら名前と顔を公衆にさらして、身をもって被害者の声を強く訴えることを選んだ。ジゼール・ペリコさんは、女性への暴力の被害を体現する象徴的な人物となり、公判には連日、熱心な支持者らが詰めかけて、裁判の様子は大きく報じられた。