ビベンディ、分社化3社を上場:株価は全体として振るわず
仏メディア大手ビベンディが15日、分社化した3社を上場した。上場初日に全体として株価はあまり振るわなかった。
ビベンディは、カナルプリュス(有料テレビ)、ハヴァス(広告)、ルイ・アシェット・グループ(出版など)の3社を分社化。3社の株式は、ビベンディの株主に応分の比率で配布された。15日には、カナルプリュスがロンドン、ハヴァスがアムステルダム、ルイ・アシェットがパリで、それぞれ上場された。
カナルプリュスの資産は、本体のほかに、デイリーモーション(動画配信サイト)の100%株式、南アフリカのマルチチョイス・グループ(有料テレビ)の45.2%株式などからなる。株価は初日に25%を超える下落を記録し、時価総額は28億5000万ユーロとなった。ハヴァスの方は、株価が1.3%高とわずかながら上昇。一時は10%を超える上昇を記録したが、結局、上場価格に近い水準で落ち着いた。時価総額は18億ユーロ程度になった。ルイ・アシェットは、出版大手アシェットを含むラガルデール(ほかに、トラベルリテール事業やメディア事業)の株式66.53%と、プリスマ・メディア(雑誌など)の100%株式を保有。その株価は初日に26.93%の大幅上昇を記録し、時価総額は14億ユーロを超えた。ビベンディ本体は、パリ株式市場にて3社切り離し後で初めての取引が行われた。新生ビベンディには、ゲームロフト(モバイルゲーム)の100%株式、Banijay(番組制作)の19.2%株式、テレコム・イタリアの17%株式、スペインのPrisa(メディア)の11.9%株式、ユニバーサル・ミュージックの9.98%株式などが残っている。再上場後では株式が初日に40%を超える上昇を記録。時価総額は26億ユーロを超えた。
ビベンディの親会社であるボロレ・グループは、4社それぞれについて、30%程度の株式を保有している。初日の4社の時価総額は80億ユーロを下回り、ビベンディの分割前の水準だった91億ユーロに比べて目減りした。ボロレ・グループは、株価低下の場合には、安値を利用して株式を買い集めるという両面待ちの戦法であるという。