オーシャンで従業員がスト、オーナーのミュリエ一族への配当金を問題視
食品小売大手オーシャンの従業員が抗議行動を開始した。同社を保有するミュリエ一族が、グループの他の企業から配当金を吸い上げているのに、オーシャンで人員削減を進めているのは理不尽だと主張している。
抗議行動は、主要労組CGTの呼びかけで、パリ北郊オルネースーボワのオーシャン店舗にて4日朝に始まった。これと呼応する形で、ミュリエ一族傘下のデカトロン(スポーツ用品販売)の労組CFDTは、一族がデカトロンから10億ユーロに上る配当金を受け取ることに抗議し、7日より国内の全店舗にて抗議行動を開始すると予告している。オーシャンでは、2389人の人員削減を含む大規模な再編計画が数週間前に発表されたが、そうした中で、ミュリエ一族が潤沢な資金をグループ企業から吸い上げるのはおかしいと労組側では主張している。
ミュリエ一族は北仏の資産家で、AFMという団体組織を通じて、オーシャンやデカトロンのほか、ルロワメルラン(ホームセンター)、キアビ(アパレル)、ブーランジェ(家電販売)など、流通分野を中心に多数の企業を保有している。オーシャンの人員削減計画を巡っては、バルニエ首相も先に、これまでに同社に投入された補助金の使途を再審査する考えを表明するなど、人員削減をけん制して圧力をかける姿勢を示していた。