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第二十六回:睡眠時無呼吸症候群(SAS)のお話

一度は聞かれたことのある病名ではないでしょうか。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、夜間の睡眠中に無呼吸、あるいは低呼吸を繰り返す病気です。「無呼吸」とは、10秒以上呼吸が止まること、「低呼吸」とは、息を吸う深さが50%以上減少する呼吸が10秒以上続くことを言います。
これにより、次の2つの症状を引き起こします。

 

(1)熟睡できないため、日中に眠気が強くなり、集中力が低下。眠気のため交通事故や労働中の事故につながる可能性が高くなります。
(2)無呼吸と低呼吸をくり返すことによって低酸素状態が起こり、心臓に負荷がかかります。高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などの合併症を起こしやすくなり、最悪の場合は突然死につながります。

 

つまり、寝不足どころか、知らない間に突然死につながる恐ろしい病気なのです。
主な原因として、肥満、顎が小さいなどといった、睡眠中にのどが狭くなるものが多いです。まず肥満は、のどの周りに皮下脂肪がつきすぎ、気道が狭くなります。舌根(舌の付け根の部分)が肥大すると、いっそう狭くなります。次に顎が小さいと、のどの断面積も小さくなるため、気道が狭くなります。これらの原因により、睡眠中に舌根が落ち込み、無呼吸・低呼吸が起こりやすくなるのです。

 

診断は、まず問診にて日中の眠気の程度を確認し他の病気が関係していないか調べます。しかし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)であっても眠気を自覚していない場合があるので注意が必要です。睡眠中の酸素濃度を調べる簡易型睡眠モニターも、外来でできるスクリーニング検査です。その後、正確に診断をするためには1泊入院し、睡眠ポリグラフィー検査(夜間睡眠中の呼吸状態、脳波、顎の筋電図、心電図などを調べる)を行います。

 

治療としては、肥満が原因の場合は減量を目指します。そして、舌根を沈下させやすい飲酒や睡眠薬使用の制限も心がけます。抱き枕などで横向きに寝るようにすることも有用です。これらによって重症度をある程度下げることができ、軽症の患者さんの場合ではほぼ正常まで改善することがあります。しかし、こうした生活習慣の改善だけで不十分の場合、マウスピースなどといった口腔内装置やCPAP(シーパップ)療法(睡眠中、気道に持続的に圧をかけ舌根が沈むのを防ぐ器械)、あるいは外科的手術を検討します。

 

「日中の眠気」「熟睡感がない」「集中力の欠如」などといった自覚症状、あるいは身近なご家族が「睡眠中にしばしば呼吸が止まる」「ひどいイビキ」などの症状にお気づきになりましたら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。早めの治療は、日中の眠気を防ぐだけでなく、高血圧や糖尿病などの合併症を改善し、従って長生きにつながることが期待できます。

 

質のよい睡眠をとり、元気に過ごしましょう。

当コラム執筆者について

三村 佳弘
アメリカンホスピタル
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