今週のフランス

アルストムとシーメンスの合併失敗:仏政府は欧州委の拒否決定を批判

欧州委員会は2月6日、アルストム(鉄道機器)と独シーメンスの鉄道機器部門の合併計画を却下した。

欧州委のベステアー委員(競争担当)は、同日に開いた記者会見の機会に拒否の理由を説明。地下鉄車両及びローカル線向け車両については、合併による問題は生じないが、鉄道信号システム及び次世代高速鉄道部門では競争上の問題があり、顧客や競合企業、業界団体、労組に加えて、各国政府の競争当局からも合併によりもたされる競争上の問題が指摘されたと説明。問題解決に向けた両社からの提案が不十分であったことから、合併の承認を拒否したと説明した。

ベステアー委員は、合併の推進派が根拠に挙げていた中国のCRCCの脅威について、CRRCは売上高の90%を国内市場で上げていると指摘した上で、中国勢が予見可能な未来に欧州市場に進出する展望はないとして、こうした主張に反論。独仏両政府が計画承認を求めて圧力を行使していたことについては、独仏にとって計画に重要な利益があるのは確かだが、他のすべての加盟国も鉄道機器市場においてそれぞれ利害関係を持つとし、「大きな声で叫ぶ人の意見だけを聞くべきではない」と述べた。

他方、フィリップ仏首相が同日、「間違った根拠にたった間違った決定」と述べるなど、仏政府の関係者らは公然と欧州委の決定を批判した。報道によれば、独仏両国はこの件を教訓に、EUの競争に関する法令の緩和を提案する方針で、今夏までに共同提案をまとめる計画であるという。他方、アルストムのプパールラファージュCEOは、欧州委の決定について、その理由が理解できず、残念と述べる一方で、慌てて他の提携の可能性を探る必要はないとの見解を示した。なお、アルストム労組は当初から合併計画に反対を表明しており、欧州委の決定を歓迎した。(「日刊メディアダイジェスト」2月7日より転載)

 

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